ソウルキャリバーII(TM) キャラクター
キャラクター
セルバンテス(セルバンテス・デ・レオン)/Cervantes(Cervantes de Leon)
PDF 技表(163KB)
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年齢 48で止まっている
出身 バレンシア/スペイン王国(スペイン)
身長 177cm
体重 80kg
使用武器 長剣&短銃剣
武器名 ソウルエッジ(♀)&ニルヴァーナ
流派 ソウルエッジの記憶
『巨大な怪物は海面に浮上してその姿を見せる。だがその身体の全部は決して現れず、人間の目はその全貌を見ることができない。』─「ノルウェー博物誌」─
 かつて大西洋を恐怖で包み込み、列強の艦隊ですら恐れたと言われる大海賊・セルバンテス。
かの邪剣が力を失う以前の姿・雌雄二本のソウルエッジを手にした時、人間としての彼は死を迎えた。
その身体が朽ち果てるまで邪剣の思うままに操られる…。それが彼の運命だった。事実部下を皆殺しにし、己が拠点としていた港町を血で染め、そしてソウルエッジの噂にひきつけられて訪れる剣士の魂を喰らいながら過ごした二十数年の歳月の間、彼の身体を支配していたのはソウルエッジであった。
 当時邪剣はたまたま休息期間に入っていたため、自ら魂を求めて虐殺を起こすことはなかった。
だがもちろんそれは一時的なもので、時がくれば殺戮の嵐はヨーロッパを襲っただろう。そしてその中心にはソウルエッジを携えたセルバンテスが立っていたはずであった。
 しかしソウルエッジの休息期間が終わる前に、彼の運命は激しく揺れることになる。邪剣を恐れた神の啓示を受けた聖戦士との戦いによって片方のソウルエッジが破壊されてしまったのだ。かつて無いほど大きくバランスを崩したソウルエッジは更に現れた敵との連戦を強いられ、そして宿主であったセルバンテスを失ったのである。
暴走状態に陥ったソウルエッジの片割れだけがその場に残され、セルバンテスの身体は、邪剣から漏れ出した炎に焼かれて朽ちていった…。


 …だが、それでもセルバンテスの魂は解放されなかった。
 炭化して今や誰とも判別のつかない死体のもとを、ソウルエッジの新たな宿主が訪れたのはしばらくしてからの事だった。ソウルエッジが近づいたことにより、破壊された際に飛び散ってセルバンテスの身体に食い込んだ邪剣の破片が共鳴をはじめる。その反応を感じ、ソウルエッジがいかなる思いを巡らせたかは判らないが、新たなソウルエッジの犠牲者は立ち去った…。
 一方活性化した破片はまるで生物のようにセルバンテスの死体の中を蠢きまわる。一昼夜が過ぎたころ、廃墟の中から彼は立ち上がった。こうして彼は、再びこの世に戻ってきたのである。
 しかし、セルバンテスの身体に残っていた破片は僅かだった。復活を果たしたものの、彼の精神は完全ではなかったのだ。彼は記憶を失っていた。半ば廃船と化しながら港に停泊していた海賊時代からの旗艦、エイドリアン号の名だけがかろうじて覚えていた全てであった…。


 彼は自分の名前も思い出せないまま廃墟の中で暮らしていたが、やがてその姿を消えた。
 …そう、嵐の中で立ち尽くしていたある晩、彼は思い出したのだ。同じような嵐の中、エイドリアン号で狙った船を襲ったことを。哀れな犠牲者達から奪った獲物のことを。そして手にした二対の剣のことを…!
 全てを思い出した時、彼はあの巨大な力を再び手にしたいと感じていることに気がついた。精神を乗っ取られ、操られた記憶を持っていてなお、その力は魅力的であったのだ。邪剣の破片を己が一部として蘇った男は共鳴を聞き取り、邪剣が今どの地に存在するのかを知った。驚くべきことにその気配は数箇所に分かれていたが、一方の邪剣が砕け散ったことを考えれば、それは自然なことだと思われた。第一、彼自身の身体の中にも邪剣は存在しているのだから。
 セルバンテスは最も大きな気配を追って歩き出したが、ある程度まで近づいたある日、ソウルエッジの気配が更に細かく分かれたのを感じ取った。
 まさか…。そう感じたセルバンテスは、その地に着くと同時に自分の予感が正しかったことを知る。
もう片方のソウルエッジまでもが砕かれてしまったのだ!


 その地で拾い集めた幾つかの新たな破片を彼は眺めた。
 最早あの力を再び手にする野望は潰えてしまったのだろうか…?


 異変に気が付いたのはその時だった。手にした二つの欠片はセルバンテスの身体と共鳴を起こし、徐々に彼の手の中で一つに溶け合っていくではないか。すぐさま彼は別の欠片に手を伸ばす…。再びそれは一つになった。
自分の身体の中の破片との共鳴がこの現象を引き起こしていることに彼は気が付いた。彼の体の中の破片が喜びの声を上げるのがはっきりと判るのだ…。そしてソウルエッジに力を与える為には何をする必要があるのか、彼はそれを熟知していた。


 それから四年。彼は時には強者の魂を奪い、時には新たな欠片を得ながらソウルエッジの力を徐々に高めることに努めた。いつしか彼の手の破片は剣の形となっていき、それ相応の邪気を放ちはじめる。しかし彼は以前とは異なり、自らの意志を持ちつづけていた。セルバンテスは邪剣の欠片を体内に持つことで、精神を侵されること無く邪剣を握ることが出来たのだ。


 とうとう「彼の」ソウルエッジを手にしたセルバンテス。彼が強い魂とともにソウルエッジの欠片が集まっていく様をただ見過ごすと考えるのはあまりにも不自然であろう。世界各地でソウルエッジの欠片によって戦士達が動き出した今、彼もまたその野望を実現するために動き出しているに違いない。
 いつ、どの闇の中から邪剣を携えて彼が現れるのか。
 それを知るのはただ一人、セルバンテス本人だけである…。